働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革)とは何?

2020.09.23

働き方改革とは?

2019年4月より「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が2018年の通常国会で成立しました。

この長過ぎる法律名を略して「働き方改革関連法」といいます。

この法律がなんのために公布され、どのような内容なのかを説明していきます。

働き方改革関連法の趣旨

労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現するために、働き方を改革する必要性がでてきました。

そのため、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない構成な待遇の確保を推進するため、この法律が施行されました。

働き方についてはこれまでの労働法にも健康に働くための指針がありましたが、形骸化されている部分があることも否めないため、より具体的かつ近年の状況に合わせた働き方について定められているのが特徴です。

長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等

それでは実際にどのようなものが改正になったのかを説明していきます。

労働時間に関する制度の見直し

過労により健康的な生活が送れなくなるようなことがなくなるように以下のことが改正されました。

時間外労働の上限規制の導入

月45時間、年360時間を原則とする。

臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満、複数月平均時間80時間(いずれも休日労働含む)を限度に設定。

法律:労働基準法
施行日:大企業2019/4/1 中小企業:2020/4/1

中小企業による時間外労働に対する割像賃金の見直し

月60時間を超える時間外労働に係る割像賃金率(50%)について、中小企業への猶予措置を廃止。

法律:労働基準法
施行日:2023/4/1

使用者の時季指定による年次有給休暇

10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えることを使用者に義務付ける。

法律:労働基準法
施行日:2019/4/1

医師による面接指導制度の拡充

新技術、新商品の研究開発業務従事者及び、高度プロフェッショナル制度の適用者のうち一定時間を超える長時間労働者について医師による面接指導の実施を事業者に義務付ける。

一般労働者の面接指導の対象要件を拡大する(省令改正)

法律:労働安全衛生法
施行日:2019/4/1

労働時間の状況の把握の実効性確保

労働時間の状況を省令で定める方法(使用者の現認や客観的な方法による把握を原則とする)により把握しなければならないこととする。

法律:労働安全衛生法
施行日:2019/4/1

フレックスタイム制

フレックスタイム制の精算期間の上限を1ヶ月から3ヶ月に延長する。

法律:労働基準法
施行日:2019/4/1

高度プロフェッショナル制度の創設

正式名称は特定高度専門業務・成果型労働制。

職務の範囲が明確で年収1,075万円以上の労働者が、高度の専門的知識等を要する業務に従事する場合に、健康確保措置等を講ずること、本人の同意や委員会の決議等を要件として、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とする。

労働時間等設定改善法の改正

労働時間等設定改善法とは労働時間等の設定の改善に関する特別措置法です。

勤務間インターバル制度の普及促進

事業主は、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の急速の確保に務めなければならないこととする。

法律:労働時間等設定改善法
施行日:2019/4/1

企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組促進

企業全体を通じて一の労働時間等設定改善企業委員会の決議をもって、年次有給休暇の計画的付与等に係る労使協定に代えることが
できることとする。

法律:労働時間等設定改善法
施行日:2019/4/1

産業医・産業保健機能の強化

労働者の健康を守るため、以下のような改正も行われました。

衛生委員会への産業医の勧告の内容等の報告義務

事業者は、衛生委員会に対し、産業医が行った労働者の健康管理等に関する勧告の内容等を報告しなければならない。

産業医に対する情報提供義務

事業者は、産業医に対し、産業保健業務を適切に行うために必要な情報を提供しなければならないこととする。

労働者の健康情報の取り扱いの適正化

1,労働者の心身の状態に関する情報の必要な範囲内での収集・保管・使用
2,健康情報の適正管理措置の義務

雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保

同じ仕事内容ならば正規雇用、非正規雇用にの間に不合理な待遇の差をつくらないよう、以下のような項目が改正されました。

不合理な待遇差を解消するための規定の整備

パート・有期雇用労働者

パート・有期雇用労働者に関する同一企業内における正規雇用労働者との不合理な待遇の禁止に関し、個々の待遇ごとに、当該待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべき旨を明確化。併せて勇気雇用労働者の均等待遇規定を整備。

法律:パート・有期労働法
施行日:2020/4/1

派遣労働者

派遣先の労働者との均等・均衡待遇、一定の要件を満たす労使協定による待遇のいずれかを確保することを義務化。

法律:労働者派遣法
施行日:2020/4/1

待遇差の不合理制の判断に関するガイドライン

同一労働同一賃金ガイドラインの根拠規定を整備。

法律:労働者派遣法、パート・有期労働法
施行日:2020/4/1

労働者に対する待遇に関する説明義務の強化

パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者について、正規雇用労働者との待遇差の内容・理由等に関する説明を義務化。

法律:労働者派遣法、パート・有期労働法
施行日:2020/4/1

行政による履行確保措置及び裁判外紛争解決手続き(行政ADR)の整備

規定整備や説明の義務について、行政による履行確保措置(助言・指導・報告・徴収等)及び行政ARD(労働局長による援助制度、調停制度)を整備。

法律:労働者派遣法、パート・有期労働法
施行日:2020/4/1

※中小企業へのパート・有期雇用労働者に係る改正規定の適用は2021/4/1

労働施策総合推進法に基づく労働施策基本方針

労働施策労働推進法第10条第1項の規定に基づき、働き方改革の意義やその趣旨を踏まえた国の施策に関する基本的な事項等について示した「労働施策基本方針」(2018年12月28日閣議決定)が策定されています。

国は、本方針に示される基本的な考え方や中長期的な方向性に基づき、労働施策を総合的かつ継続的に推進することとしています。

基本方針に示される労働施策に関する基本的な事項(骨子)

労働施策総合推進法は、旧法の雇用対策法の主要目的であった労働者の雇用の安定に加え、必ずしも雇用契約によらない「多様な労働参加」や、職業生活の充実、労働生産性の向上といった働き方改革の趣旨を踏まえ、「労働施策」全般にわたり、総合的に継続して展開していくことを目的とした法律です。

労働時間の短縮等の労働環境の整備

■長時間労働の是正
■過労死などの防止
■最低賃金・賃金引き上げと生産性向上
■産業医・産業保健機能の強化
■職場のハラスメント対策等の環境整備

均衡のとれた待遇の確保、多様な働き方の整備

■非正規雇用労働者の待遇改善
■正社員転換等の支援
■柔軟な働き方がしやすい環境の整備

多様な人材の活躍促進

■女性・若者・高齢者・障害者等の活躍促進

プライベートと仕事の両立

■育児・介護・理療と仕事との両立支援

人的資本の質の向上、職業能力評価の充実

■リカレント教育等による人材育成の推進

働き方改革の円滑な実施に向けた連携体制整備

まとめ:働き方改革とは労働者に健康で快適に働いてもらうための改革!

この働き改革は、正社員だから会社からの束縛が激しすぎたり、非正規雇用だからといって同じ仕事内容にも関わらず待遇が大きく違ったといういった不公平や不合理な働き方をしなくていいように国が方針を固めたものです。

これらをちゃんと理解し、遵守していけば労働条件の改善・向上はもとより、企業運営の活性化にもつながっていくことでしょう。